どうもパルテンです。
飼育場で新しい命が誕生いたしました。
生まれたのは、今朝と昨日の夜かは不明ですが、朝には歩いていたので恐らく夜に生まれたのではないかと職場の人が申しておりました。
牛は生まれてから三十分ぐらいで歩くそうなんですよね。人間は歩くのに一年ほどかかるのに比べると本当に逞しいかぎりで、凄いなぁ〜と感心して聞いておりました。
人間は身体能力って他の動物と比べると劣っているところが多いのですが、賢さで今の栄華を手にしたと言われておりますね。
しかし、自分が思うに、人は賢いというより欲の深さによって食物連鎖の頂点に君臨しているのではないでしょうか。のんびりと日々を過ごしている牛さんを見ていると、どうしてもそう思っちゃうんですよね……。
牛さんが他の牛を攻撃してるとこなんて殆ど見ません。たまに他の牛に乗り掛かってるのを目に入れますけどね。けどその行為も結構稀です。
それと比べるといつも争っている人間ってのは相当に業が深いんじゃないだろうかと、ついつい愚察してしまうんですよね……。
そんなことを考えていると、ふと思い出したのが「鋳掛松」というお話しでした。
今日はそれについて話そうと思います。
とは言っても自分も「鋳掛松」という話は冒頭しか知りませんがね……。
皆さんはこの「鋳掛松」をご存知でしょうか? 自分は時たま落語やら講談の動画を視聴したりするのですが、自分は講談で知りました。
因みに原作は、大正に作られたものだそうです。
この「鋳掛松」というお話は、自分の聞いた範囲だと真面目な主人公が盗賊に落ちるというものになります。本当はもっと長いらしいのですが、動画ではそこまでしかありませんでした。
少し簡潔にあらすじを説明しますと、
主人公は鋳掛屋という生業で、主に鍋の修繕などをしている者です。この鋳掛屋というのは人のためになる良い仕事ですが、金にはならないそうで、主人公は貧乏な暮らしをされておりました。
とても賢く優しい青年なんですが、とある暑い日に、橋の下で呑めや騒げやのどんちゃん騒ぎをしている連中を見て、貧乏な自分と比較してしまい心に闇を宿してしまいます。
すると主人公は、こんなことやってられるか! と仕事道具を川に捨てて盗賊稼業に身を堕としてしまうのでした。というのが大方のあらすじ。
この話を聞いてからずっと考えていることがあります。
これがエンターテイメントとして、長い年月を経ても語り継がれているということは、この主人公の心の移り変わりが民衆に受け入れられているということです。
そうなると、昔から裕福な人の栄華を見るのは苦痛でしかなかったということでしょうか? だとすると、SNSやら動画やらテレビやらでそれを見せつけられた人はどうなるのでしょうか……?
そう考えると、なんだか怖いんですよね。人が人の闇を芽生えさせていく、けれどその人たちに悪気なんてものはない。というか悪いことではないです。ただできることをしているだけですから。
というかなぜに人は人の幸福に悪感情を抱くのでしょうか……。人が幸せならそれでいいとどうして簡単に思えない作りをしてるんですかね。
こういった感情を仏教では欲の一言で片付けると思います。
違ってたらすいません。
けど、多分間違ってないでしょう。人の栄華、幸福を見て嫉妬やらの感情を抱いてしまうのは大体欲が原因です。人はどう転んでもこの欲と戦わねばならないんでしょう。
本当、人間ってのはなぜこうも欲が強いんでしょうかね。
どうして皆んな牛さんのようにのんびり生きることができなんでしょうか……。
それとも牛さんも、口をもごもご動かしながら自分に嫉視を送っているのでしょうか……。だとすると……。
………。
いや、違います! 牛さんはそんな目で自分を見てないです!
牛さんは多分自分のことを掃除のおじさんぐらいにしか思っていないです! じゃないと気軽にナメナメしてきません!
あのナメナメされてると、なんだか浄化されている気分になるんですよねぇ〜。
本当に無邪気な雰囲気で寄ってくるんですよ。もう可愛いったらないです。
もしかすると、あの主人公も牛さんにナメナメされてれば盗賊にならなかったかもしれませんね。
と、もうこんなに買いてしまいましたか……。
ただ思ったことを書いているだけでしたが、意外と長くなってしまいました。
すいませんが、オチというオチはないです。
まあそれはいつものこと!
最後に一言。
もし心に闇が芽生えそうになったら、動物と触れ合ってみて下さい。この療法は有名かもしれませんが、当事者になって本当に有効だと思い知らされました。
さらにいうと牛さんにナメナメがかなり効果が高いです。てか自分はそれしか知りません。
もし、気分が上がらない人がいたら是非、牛さんなめなめをば!
というところで、今日は失礼しようと思います。
ここまで読んで頂きありがとうございました。
酪農とは言わなくとも、将来一頭ぐらい牛飼いたいなぁ〜と思う今日この頃。